肩こりにならないためのセルフケア
肩こりでずっと長年悩んでいるという方で患部のマッサージやストレッチを一生懸命にしているという方が多くいらっしゃいます。
ですが、残念ながら患部へのマッサージやストレッチは決して肩こり改善の方法として正しい方法ではありません。
患部は肩こりの原因ではない
どうしても患者様の多くは肩が痛いのだから肩が悪いと単純に思われがちですが、まずその考え自体に間違えがあります。
身体というのは全て関係性で動いています。
単純な単一運動ではなく全部につながりで動いています。
例えば
大腿四頭筋と言う筋肉があります。
足の太腿の前側を覆っている大きな筋肉です。
この大腿四頭筋に限らず全ての筋肉には拮抗筋という反対の働きをする筋肉がセットで動いています。
大腿四頭筋であれば拮抗筋は大腿二頭筋(ハムストリング)と言われる太腿の後ろ側を覆う大きな筋肉です。
この2つの筋肉がセットになって膝の曲げ伸ばしと言う運動を行なっています。
大腿四頭筋が収縮して膝を曲げる時にはハムストリングが筋肉の緊張を解いて大腿四頭筋が収縮しやすくしています。
もし、ハムストリングが大腿四頭筋と同じように収縮していたら膝は曲げることも伸ばすこともできなくなります。
関節も同じです。
肘の屈曲をする動作をする時にも肘の場合3つの骨が関係しています。
上腕骨、橈骨、尺骨の3つの骨が肘関節を作っていますので関節も3つあっていずれが壊れても肘は曲げ伸ばしできなくなったり痛くなったりします。
心臓も血液がなくては働くことができないくなります。
血液も筋肉や心臓がなと全身を巡ることができません。
全身の構造で何一つとして必要のないパーツはありません。
一つでも欠けてしまえば身体は正常に働くことができずに死んでしまいます。
肩こり解消の動画を見ても意味がない
肩こり改善の動画は腐るほどたくさんあります。
そのほぼ全てにおいて見ても意味がない動画です。
理由はそこには答えしか載っていないからです。
そう言った動画は答えが流れていますが、どうしてその答えになったかが流れていません。
「肩こりには〇〇筋を鍛えろ」
「肩こりに効くストレッチ」
こ言う言った動画は誰しも1度は見たことがあると思います。
たとえ見て実践しても効果はないでしょう。
その動画にはなぜそこの筋肉を鍛えなきゃいけないのか?
本当にそこの筋肉を私が鍛えると効果があるのか?
は話されていません。
コッている場所は筋肉が収縮したままの状態
「コッている」と言う表現は日本人特有の表現です。
医学的にコッていると言うのは病気ではありません。
僕なりの「コッている」という状態が筋肉がどのような状態かというと
筋肉が収縮(縮む)したままで弛緩(緩む)できない状態です。
筋肉は「縮む」か「緩む」ことしかできません、「自分で伸びることはできません」
よく筋肉が「緊張している」とか「硬いですね」と言われる事があると思いますが、この状態が医学的には筋肉が収縮している状態です。
病院では建前上は筋肉や骨に腫瘍があったら命に関わる問題なのでにレントゲンを撮りますが、実際ほとんどの場合腫瘍があることなんてほとんどないので年一回でもレントゲン撮れば十分です。
病院も経営があるので意味がないと先生は分かっていながらレントゲンを撮って「特に問題のですね」「ストレートネックですね」などと言われて「とりあえず薬で様子見ましょう」と言われるのが関の山です。
コッている筋肉というのは筋肉が切れたり、ちぎれたりして怪我をしているわけではないのでむしろコッている筋肉には過剰なストレスをかけて逆に痛めてしまうこともあるので無闇に触らないことをお勧めします。
当院としてもどうにもならなくて来られる患者様がいますが、大抵の場合自分でマッサージしたり、毎日マッサージチェアに乗っているなんて人もいるのでその方が改善しにくいですのでわからない時は我慢しないで、悪あがきもしないで、触らずにそっと来院してください。
筋肉に負荷(ストレス)がかからない姿勢にする
いくら首や肩の筋肉にストレスがかかっているからマッサージでリラックスさせてあげようとしてもストレスの原因をなくさない限りストレスは永遠に続きます。
嫌な上司、先輩に嫌味を言い続けられてストレスがかかっているからカラオケや何かでストレス解消したとしてもその嫌な上司、先輩がいなくならない限りストレスはかかし続けますよね。
仕事や、学校の人間関係の場合は人を殺すことはできないし、仕事や学校を簡単に辞めることはできません。
しかし身体の場合は原因、元凶を取り除くことが可能です。
肩こりの原因ベスト3
肩こりの原因と言っても一人一人原因は細かく違いますので100%ではないですが、当院での統計的にこの辺が原因だったと言う人が多いパターンがあります。
ご自身がどのパターンに当てはまるかは検査しないとわからないので3つ全部試してみて当たったものを見つけるのが良いでしょう。
①手指(親指)
②肘関節
③膝
この3つで8割程度の肩こりの原因は対応できると思います。
①手指(親指)
ここが原因での肩こりが最も多く、かつ最も見逃されがちな肩こりの原因です。
指の中でも親指、人差し指のこの2本が最も大事な指でこのどちらかを改善してあげるだけで肩こりは一時的にも楽になって改善します。
手指を冷やす!
おうち時間でできるセルフケアとしては一番手取り早い方法は手を冷やしてください。
一般的に温めると言う方法を取ると思いますが、身体の改善を目的とするなら冷却です。
温める目的は血流促進、副交感神経優位、痛みの軽減といった所がメリットとされていますが、僕の手指の冷やす目的はこれとは違います。
血流促進はクライオセラピーと言う冷やしすことで血流を促進すると言う改善方法があるので結局は冷やしても、温めても血流は良くなりますが、特にクライオセラピーは身体の末梢の手や足を冷やすと末梢の血流の改善には最も効果的です。
ちなみに、一般的な温めるて良いのはやはり内臓、腹部ですね。
筋肉や骨を温めてもさほどメリットはないので基本的に当院で「温めてください」とは言いません。
冷やす最も大きいメリットは、筋肉、関節の炎症、関節の破壊を防ぐことができるからです。
人間の細胞は37度で凝固して、42度で死滅します。
これは体温では無く関節内部の温度です。
関節の温度は何となく自分でも熱いかどうかはわかります。
それは自分の手のヒラで関節や筋肉を触れてみてください。
手はセンサーです、手のひらで触って熱く感じた場合には自分の体温より高くなっていると思って良いと思います。
一般的に平均体温は36度前後だと思いますので、熱く感じると言うことはその関節や筋肉は37度以上あってもおかしくありません。
その状態が続けば関節内の軟骨は摩擦で削れて溶けていきます。
そうすると関節軟骨がなくなると関節は変形し始めます。
一般的に肩や背骨、膝、股関節の軟骨は有名ですが、種類は違えど関節全てに軟骨は存在しています。
みなさんが思っている以上に手指は仕事しています。
考えてみてください、今の生活で「手指」の使っていない作業、仕事はいくつありますか?
ほぼ手指がないとできない作業できない事ばかりなはずです。
肩がコル方は肩関節を使う仕事では無く「手指」を動かす仕事でなります。
手の負担が肩に症状として現れていると思って良いです。
ですので手指を労ってあげてください。
人間は足より手がない方が圧倒的に不便です。
何をするにも「手」です。
筋肉、関節は使ったら冷やして炎症を抑える
これが鉄則です。
騙されたと思って手指を冷やしてみてください。
冷やす方法はまず湿布は全く意味がないのでナシです。
冷却というのは体温に対してー15度以上低い温度のもので冷やしてください。
おすすめは保冷剤、氷、で良いと思います。
時間は30分以上です。
手であればお風呂に入りながら保冷剤を握ってるのは最高に血流が良くなり関節も炎症が回復して最高です。
単に手を冷やすといっても間違った知識と間違った方法だと全く意味がないことをしることになるのでご注意ください。
②肘
肘が悪くなると肘が曲がってしまっています。
肘は膝と違い地面に付かず肩甲骨に腕がぶら下がっているだけなので自分の肘が曲がっているということにみなさん気付いていません。
気づかないので自分の肘が悪くなっているという意識もないので気付いたら肘の関節可動域が異常値になっているなんてことは日常茶飯事です。
肘を伸ばしましょう!
軽いものでもじっと何かを持っている方に肘が悪くなって肩がコルという方がいます。
ウエイトレスやスマホを持っているだけでも肘が悪くて肩こりになります。
手指に近い肘関節ですので先ほどのように肘関節を冷すのも良いです。
その他ですとやはり自分でできることで言えばストレッチです。
手指も伸ばすストレッチは方法として有効ですが、ストレチしやすいのが肘のほうが簡単です。
一般的には肘のストレッチと言っても大体が前腕のストレッチになるので↓の写真のようなストレッチですがこれで良いです。
一点注意点は手首を返して前腕のストレッチをしてますがこの時に自分の意思で肘を伸ばしてください。
ストレッチをしている手で引っ張るのではなく伸ばしている方の腕の意思で過進展するように伸ばしてください。
間違っても伸ばされていない手首を返している手の方で思いっきり引っ張らないでください。
動画などで言っていますがストレッチは「8秒以内」、「強く伸ばす」のは逆効果になりますので注意してください。
ストレッチも「誰でもできる簡単ストレッチ」などと謳っている動画がありますが、原理原則を知らないと効果がないだけならまだしも、逆効果になっては元も子もないので気をつけてください。
③膝
肩こりの原因でも下半身が原因となっている肩こりがあります。
特に膝が悪い事が多く、普段肩がこってしまうような生活習慣を知らず知らずのうちに自らやっている事が多いです。
正座や横坐りなどの床に座ることをやめましょう
膝が悪くなると膝が伸びなくなって立っていても膝が軽く屈曲の形で立っています。
膝が曲がると、股関節が屈曲します。
股関節が曲がると頭が前傾して猫背になります。
頭が前傾するとストレートネックになります。
ストレートネックになると首や肩の痛みや頭痛、めまい、手のシビレなど酷くなればなるほど症状がたくさん出てきます。
膝が悪くなる原因に一番大きい原因が床に座ること全般全てアウトです。
日本人は床に座ることが文化です。
昔の腰が曲がったおばあちゃんやおじいちゃんは床に座る時間が長いためになっていましたが、最近では住居も欧米化になっているし実際椅子の方が楽なのもあって和式便座が無くなったりダイニングテーブルで食事を摂ったりと床に座る時間が昔に比べてかなり減ったので腰が曲がったご年配の方がずいぶん見なくなりました。
人間の身体の構造上床に座って良いことは無いです。
床に座っている時間が長い方は床に座ること自体を止めるだけで肩こりになりにくい、症状が少なく、酷くなりません。
正直座るところを変えただけで治ることはありませんが悪化は間違いなく防げます。
肩こりを改善してきたいと思うとやはり冷やしたり、ストレッチのようなことをする必要がありますが、手や肘に比べて膝のストレッチはかなり難しいので自己流でやることはお勧めしません。
もう一点椅子に座っても肩がコリます。
それは「脚を組む」姿勢ですね。
膝が悪くなることで肩こりに悩まされる方で自宅では床に座っていることが多い生活で仕事中は椅子に座って脚を組んでいる事が多いのであれば確実に肩に限らず、腰にも症状が出てもおかしく無いですし、全身のどこに症状が出ても不思議では無い最悪の生活習慣なのでもしこれに当てはまっている覚えがあったらすぐに施術を受けることをお勧めします。
もはや自分でどうにかしようと思っても薬を飲んでも、ストレッチしてもマッサージでも何をしても改善することなく、良くてその場で1日楽になっている程度ですぐにまた症状が出てきているでしょう。